戦いは、ある時間(Time/期間)に限られた空間(Space/地域)において、我々もしくは、その集団が目的・目標を達成しようとするときに生じる。その目的・目標達成における障害(困難)が「敵」である。戦いの三要素として我(エネルギー)と敵(エネルギー)と第三者的要素(時・地・中立勢力等)が考えられる。戦いを考えるとき「状況判断」はこれらの三要素を総合的に考える必要がある。エネルギーは戦闘力であり、無形的要素と有形的要素からなる。集団や組織の場合、無形的要素として、リーダー「将帥」の能力(指揮・統率、戦略・戦術、人格、等)とその集団・勢力の戦闘力(士気・規律、訓練、団結心、資質、等)があり。有形的要素として集団・勢力の人数、装備(武器)、資材、施設、資金(兵站)等がある。
作戦・戦闘は戦略・戦術を行動化したもので、外見的な状態である。戦略・戦術は内面的なもので、作戦・戦闘を内部から操縦するソフトウエアである。それは勝ち方に関する「理念」と考えられる。したがって戦略・戦術は作戦・戦闘の「頭脳」であり「心」である。故に、「状況判断」「作戦計画」及び「作戦」「戦闘」においては、これぞという「勝ち目」や「決め手」を持たないままの攻勢、持久等の通り一遍の計画や行動であってはならない。常に変化、交錯する情報の中で的確な「状況判断」を行うために目的・目標を確立させることは最も重要なことであるが、戦いに打ち勝つためには、それらの情報「戦いの要素」の中に「彼我の虚実」を見出し、明確な戦略・戦術に基づいた果敢な「実行力」が必要である。