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Military Art from T.Ohashi T.Takeoka

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大橋先生 兵書抜粋 まえがき

兵書には兵法すなわち兵学と兵術が書かれてある。兵学とは戦いの理論と哲学で、兵術とは兵学を実行する術策であり、文字に表現しつくせないものが多分にある。兵法の要は、集団を率いて戦勝を獲得することにあり、「戦わずして勝つ」ことをもって最上とする。戦って勝つための鍵は、我が優勢をもって敵の劣勢を討つにあるが、この優勢はたんに有形の要素だけでなく、無形の要素によってきまることが多い。たとえば不意を突かれた軍はつねに劣勢である。無形の要素は、生命の危険を前提とする戦いの場面において、想像を絶する大威力を発揮するもので、有形の要素の格段の差が有無を言わせぬ猛威をふるうのも、それが人間に絶望感を与えるためでもある。兵法は、本来、性悪説によっている。性善説で粉飾しているものもあるが、これは無理である。とくに統率のためには、将兵の忠誠心や勇敢さが貴重であり、それを養うことに努力しなければならないが、極限状態に陥った人間は、その良識が管制力を失って本能をむき出しにすることを認識し、手抜かりのないように考えておく必要があり、現に信賞必罰を説かない兵書はないのである。性善説を表看板とする日本軍の統帥綱領や作戦要務令も、武士道や軍人精神の修養練磨という事前の準備を強く要請するとともに、厳正なる軍紀(積極的責務遂行心)の必要を高唱し、峻烈なる軍律によって裏づけしている。兵法は時代とともに進化していくものであるが、そのなかに不動の部分がある。それは真理と人間の本質に根を下ろしたもので、百年千年の風雪に堪えて来ており、今後もますます輝き続けていくであろう。本書に抜粋集録したものはこれである。なお、兵書は、時世に恵まれた一人の天才が、多くの人の経験を集めて単純化し、ある主張のもとに編集したもので、たとえば孫子の兵法も、そのすべてを孫武が開発したものではなく、いわば彼は編者である。したがって協力者の参画があったろうし、テクニックに属するものには、伝承者の手による後世の修正加除もありうるわけである。兵法は、たんに戦いの場だけでなく、政治の運営、企業の経営はもちろん、我々が人生を生きがいのあるものにするためにも、そのまま役に立つ。政治も企業も戦いも、要は組織の効果的な運用であり、また、人生は苦難の連続で、我々はこれに打ち勝たねば生きていけないし、打ち勝つことによって、初めて真の喜びを感ずるものだからである。

--大橋武夫先生「兵書抜粋」 1976年(私家版)まえがきより--


【 兵書抜粋・闘戦経 】

1987年の暮れに大橋先生の奥様より、お形見分けとして先生の蔵書を「兵法経営研究会」に分けていただくことになり、事務局の中内さんより希望の書籍を聞いて来られたので、「兵書抜粋」と「闘戦経」をお願いしたら、会長の竹林さんより丁寧な手書の宛名と包装で、それぞれ十冊ずつ実家に送って頂いた。「兵書抜粋」は1962年にベストセラーになった「兵法で経営する」を復刊されるにあたり「多忙な皆さんに、手っ取り早く兵法をわかっていただけるよう、これまでに蓄積した私の知恵のありったけを絞り出して、新たに書き下ろした。」と言われているように兵法経営の原典「兵法で経営する(復刊)」1977年の特別な付録として初めて世に出されたもので、その後1980年開講の「兵法経営塾」の基本教科書(小冊子)として活用された。 「闘戦経」は大江匡房(1041~1111)著伝で明治初期に研究者により毛利家の書庫より呉の海軍兵学校に伝わった。戦後の1962年頃、兵法経営を研究されていた大橋先生に東部軍参謀時代の参謀長高島辰彦氏より秘蔵の一本(昭和九年木版刷)が下された。開講三年目頃の「兵法経営塾」では鬼谷子や三十六計とともに日本の闘戦経も教材になり、当時は私家版として出版された「闘戦経」が「兵書抜粋」とともに重要な教科書となった。塾生たちが細やかな喜寿のお祝いをしたら先生はそのお礼に「兵法経営塾」(1984マネジメント社)を出版された。「闘戦経」は、その付録として初めて世に広く公開されたものです。
「兵書抜粋」「闘戦経」は一般の書籍として刊行されたものではなかったが、先生のご遺族にご無理をお願いして2013年に電子書籍として公開させて頂きました。「兵書抜粋」には大橋先生が抜粋された、「孫子・君主論・政略論・戦争論・統帥綱領 統帥参考・作戦要務令」が収録されています。
Webサイト「兵法塾」https://www.heihou.com/ に「兵書抜粋」のページで一部を紹介させて頂いていましたが、Mobile用の「兵法塾」を作成するにあたり 収録の都合上「兵書抜粋」を別サイトとして公開させて頂きました。大橋先生の兵書抜粋の一部に大橋先生・武岡先生の著書と自ら研鑽を重ねた古典と兵書をさらに抜粋して収録させて頂きました。

下記の Mobile用の「兵書抜粋」のサイトです。
お役に立てば光栄です。
-- 2022.12.08 サイト主宰者 --


■ Mobile用「兵書抜粋」■

「兵書抜粋」
https://www.heihou.com/21-heihou/

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電子書籍

「兵法 小澤様問対」

兵法塾外伝・平成 令和

小澤様 !
ありがとうございます。
電子書籍として上・中・下
公開させていただきます。

「兵法小澤様問対」上

兵法小澤様問対上

「兵法小澤様問対」中

兵法小澤様問対中

「兵法小澤様問対」下

兵法小澤様問対下

電子書籍 2024.01.16

⇩ リンク

「兵法小澤様問対」上

「兵法小澤様問対」中

「兵法小澤様問対」下


「兵法 小澤様問対」下巻 あとがき より

あとがき(下)この「兵法小澤様問対」と名付けた【9】~【178】までの掲示板・対話の時代背景は2009年から2023年まで約14年間の平成の後半から令和の初頭までの大きな時代の変化の中での「兵法談義」です。小澤様とは、ほとんど同世代ですが、この期間は失われた30年とも云われた時代の後半にあたります。21世紀の今、気候変動、自然災害、パンデミック、貧困、戦争・・。これでもか、これでもかと人類は歴史的な試練にさらされています。今、日本も存亡の岐路かもしれません。国民は疲弊しきっています。戦後の復興世代の我々が見て来たものを振り返れば「兆し」は既に現れています。その兆しの下に潜んでいる巨大なものが、未来の可能性です。第二次世界大戦は人類8500万人の犠牲者を出したと云われます。日本は広島・長崎に原爆を受け310万人の犠牲を出して無条件降伏しました。我々にとっては父母、祖父母の経験であり、学校の授業でも学年末の近代史は記憶に薄いままです。なぜあれほど愚かな戦争を引き起して悲惨な結果で終ってしまったのだろうか・・。と思って多少学んでみると当時の政治家や軍人に強い憤りを感じてしまいます。ならば、今の日本はどうだろうか・・。今の日本の「失敗の本質」は2004年(平成16年)の「製造業への人材派遣解禁」にあると思った。元々禁止されていた「労働者の供給」がグレーゾーンから徐々に解禁されて行って、ついに2023年には労働組合ではなく自民党や経済団体から賃上げの声を聞くようになってしまった・・。もう水も喉を通らないくらい、弱りきった馬車馬には立ち上がる力は残っていない・・。戦前の一夕会のエリート将校でも自分たちの政策に多少の不安を感じていたはずである。令和の二世三世の政治家や経済界の、雇われ社長たちも、この「平成の大失敗」の本質を内心では悔やみ畏れているはずである・・。資本主義の根幹は「簿記の思想」である。ガレー船の中で死んだ奴隷の数は資産の減少であり。リンカーンは合衆国憲法で保障された個人資産の解放に躊躇した。牧場を放たれた家畜はそのまま草原で暮らす者と、再び牧場に戻って来て「賃労働」で暮らす者があった、賃労働は餌(えさ)や肥料と同じ「費用勘定」である。牧場の収益は少ない費用(賃金)でもたらされる。常に自然災害、金融不安、市場競争にさらされる企業(牧場)は、操業や実績に応じて変動が可能な「費用」を欲しがる。受入企業の都合で、いつでも契約を切れる派遣会社からの賃労働の供給(雇用の調整)が、人材派遣である。2020年時点で非正規労働者の割合は38%を超えた。低賃金、不安定雇用の世代が家庭を持って子供を育んでいくことなど不可能に近い・・。その結果、人口減少、少子高齢化、労働力不足に陥り、技能実習などと偽って更に安い労働力を国外に求めたが、借金と低金利の「円安」で、外国人労働者からも見放された。今の日本の醜態は恥も外聞もない・・。巨万の「内部留保」を抱えていても国際競争力を失い、同盟国からの圧力や規制緩和や国際イベントの陰には常に、利権と癒着が見え隠れする時代でもある。世界に目を向ければ、国民を偽り他国に侵逼して、戦場に人を殺させる、さらに殺された自国の民の言葉を封じる・・。人類の歴史でも稀な国際情勢である。「新しい資本主義」と云う、同世代の総理の言葉に「労働分配率」でも決めてくれるのかと、多少期待したが、「所得(給与)倍増」は「資産(株や投資預金)倍増」にすり替わり、金融資産課税も消えた・・。昨日までの政府のコロナ対応を見れば、いくら防衛予算を倍増しても手作り散弾銃二発で終わりとなる。挙国一致などという言葉は使いたくないが、先日、恩師の「陸軍認識票」をお形見として賜った。恩師は幾多の戦火を越えて復員されたが、「みずく、くさむす」数百万の「認識票」と、戻ってきた「白木の箱」を思えば・・涙は襟をうるおし、頤(おとがい)に交わる・・。「何があっても絶対に国民に人殺しをさせてはいけない。」恩師の著書に「家畜の賃金」という言葉があった。「家畜の賃金と私がいうのは、労働者が生きるに必要な賃金は、会社の事情いかんにかかわらず、必ずくれというからである。家畜は生きるに必要なものはもらうが、それ以上はもらえない。飼い主は生かしていく力がなくなれば売るか、殺してしまう。家畜賃金制では、経営者は労働者が生きていくに必要な賃金を払えなくなれば、解雇するであろうし、利益が上がっても分けあおうとはしないだろう・・1962年著「兵法で経営する」大企業ではなかったが、既に61年前に労働分配率を決めて経営されていた。掲示板には、小澤様以外にも大変貴重な励ましのお言葉を賜っていました。今回は割愛させていただきましたが、改めて心よりお礼申し上げます。拙い独断の「あとがき」となりましたが、貴重なお時間と心血を注いでいただいたうえに、電子書籍での公開を快くご了解を賜りました小澤様に感謝申し上げます。大橋先生、武岡先生にも必ずご報告をさせていただきます。最期まで目を通していただきました皆様のご高読を心より感謝申し上げます。

2023年12月
heihou.com (ヘイホウドットコム)編集・著者


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「千に三つの世界」

兵法塾外伝・昭和 平成

千に三つの世界から明日の自分を見つけよう!!
昭和から平成のコンピューター業界と情報の本質について個人的な体験を基に追求してみました。2000年から運営する「兵法塾」サイトの外伝として公開させていただきます。2023.10.01

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