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目録戦理戦いの要素統率状況判断戦略戦術大橋先生武岡先生・祈願・三陸皆様の心の復興 2011.3.11「 乃至法界平等利益自他倶安同歸寂光 」

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兵法・三十六計

兵書抜粋

五 輪 書ごりんのしょ

五輪書 解説

「五輪書」は自らの死期を悟った晩年の新免武蔵(伝1584~1645)がその兵法の集大成として寛永20年(1643)の十月十日に肥後の岩戸山に篭もって筆を執り始めたと伝わる。武蔵の病の篤さを気遣った藩主の命で城下に戻ったのちに門弟の寺尾求馬助らに看取られて正保2年(1645)五月十九日、武蔵は波乱の生涯を終えた。行年62歳。「五輪書」と「独行道」は寺尾孫之丞(兄)に授与され「兵法三十九箇条」は寺尾求馬助(弟)に授与されて「兵法二天一流」の法統は寺尾兄弟の門下によって受け継がれて行ったと伝わる。

地の巻

兵法の道、二天一流と号し、数年鍛錬の事、はじめて書物に顕はさんと思い、時に寛永二十年十月上旬のころ、九州肥後の地岩戸山に上り、天を拝し、観音を礼し、仏前にむかい、生国播磨の武士新免武蔵守藤原の玄信、年つもって六十。

兵法の利にまかせて、諸芸・諸能の道となせば、万事において、我に師匠なし。今この書を作るといえども、仏法・需道の古語にもよらず、軍記・軍法の古きことを用いず、此一流の見たて、実の心を顕す事、天道と観世音を鏡として、十月十日の夜寅の一てんに、筆をとって書初むるもの也。

一、此の兵法の書、五巻に仕立つる事、五つの道をわかち、一巻き一巻きにして其の利を知らしめんが為に、地水火風空として五巻に書顕すなり。

地の巻においては、兵法の道の大躰、我が一流の見立、剣術一通りにしては、まことの道を得がたし。大きなる所より小さき所を知り、浅きより深きに至る。直なるの道の地形を引きならすによって、初を地の巻と名付くる也。

  1. それ兵法といふ事、武家の法なり。将たるものは、とりわき此の法をおこなひ、卒たるものも、此の道を知るべき事也。今世の中に、兵法の道たしかにわきまへたるといふ武士なし。
  2. 兵法の道をならひても、実の時の役にはたつまじきとおもふ心あるべし。その儀においては、何時にても、役にたつやうに稽古し、万事に至り、役にたつやうにおしゆる事、これ兵法の実の道也。
  3. 一、兵法の道といふ事、・・古しへより、十能・七芸と有るうちに、利方といひて、芸にわたるといへども、利方と云出すより、剣術一通にかぎるべからず。剣術一ぺんの利までにては、剣術もしりがたし。勿論、兵の法には叶ふべからず。
  4. 一、此の一流、二刀と名付くる事、・・一流の道、初心のものにおいて、太刀・刀両手に持ちて道を仕習ふ事、実の所也。一命を捨つる時は、道具を残さず役にたてたきもの也。道具を役にたてず、こしに納めて死する事、本意に有るべからず。然れども、両手に物を持つ事、左右共に自由には叶ひがたし。太刀を片手にとりならはせんため也。
  5. 一、兵法の拍子の事、物毎に付け、拍子は有る物なれども、とりわき兵法の拍子、鍛錬なくしては及びがたき所也。・・兵法の戦に、その敵、その敵の拍子をしり、敵のおもひよらざる拍子をもって、空の拍子を知恵の拍子より発して勝つ所也。
  6. 右一流の兵法の道、朝な朝な夕な夕な勤めおこなふによって、おのづから広き心になって、多分一分の兵法として、世に伝ふる所、初めて書顕はす事、地水火風空、この五巻也。我れ兵法を学ばんと思ふ人は、道をおこなふ法あり。
  7. 第一に、よこしまになき事をおもふ所
    第二に、道の鍛錬する所
    第三に、諸芸にさはる所
    第四に、諸職の道を知る事
    第五に、物毎の損徳をわきまゆる事
    第六に、諸事目利を仕覚ゆる事
    第七に、目に見えぬ所をさとってしる事
    第八に、わづかなる事にも気を付くる事
    第九に、役にたたぬ事をせざる事
    大形如此理を心にかけて、兵法の道鍛錬すべき也。

水の巻

第二、水の巻。水を本として、心を水になる也。水は方円のうつわものに随ひ、一てきとなり、滄海となる。水に碧潭の色あり。きよき所をもちひて、一流のことを此の巻きに書顕す也。剣術一通の理、さだかに見わけ、一人の敵に自由に勝つ時は、世界の人に皆勝つ所也。人に勝つといふ心は千万の敵にも同意なり。将たるものの兵法、ちいさきを大きになす事、尺のかたをもつて大仏をたつるに同じ。か様の義、こまやかに書分けがたし。一をもつて万と知る事、兵法の利也。一流の事、此水の巻に書きしるす也。

  1. 兵法の利において、一人と一人との勝負のやうに書付けたる所なりとも、万人と万人との合戦の利に心得、大きに見たつる所肝要也。この道にかぎって、少しなり共、道を見ちがへ、道のまよひありては、悪道へ落つるもの也。この書付ばかりを見て、兵法の道には及ぶ事にあらず。此書にかき付けたるを、我身にとって書付くを、見るとおもはずならふとおもはず、にせ物にせずして、則ち我心より見出したる利にして、常に其身になって、能々工夫すべし。
  2. 一、兵法心持の事、・・兵法の知恵において、とりわきちがふ事有るもの也。戦の場万事せはしき時なりとも、兵法の道理をきわめ、うごきなき心、能々吟味すべし。
  3. 一、五方の構の事、五方のかまへは、上段、中段、下段、右のわきにかまゆる事、左のわきにかまゆる事、是五方也。構五つにわかつといへども、皆人をきらん為也。構五つより外はなし。いづれのかまへなりとも、かまゆるとおもはず、きる事なりとおもふべし。
  4. 一、敵を打つに、一拍子の打の事、敵を打つ拍子に、一拍子といひて、敵我あたるほどのくらいを得て、敵のわきまへぬうちを心に得て、我身もうごかさず、心も付けず、いかにもはやく、直に打つ拍子也。敵の太刀、ひかん、はづさん、うたんと思ふ心のなきうちを打つ拍子、是一拍子也。此拍子能くならひ得て、間の拍子をはやく打つ事鍛錬すべし。
  5. 一、無念無相の打といふ事、敵も打ちださんとし、我も打ちださんと思ふ時、身も打つ身になり、心もうつ心になって、手はいつとなく空より後ばやにつよく打つ事、是無念無相とて、一大事の打也。此打たびたび出合ふ打也。能々ならひ得て鍛錬あるべき儀也。
  6. 一、多敵のくらいの事、多敵のくらいといふは、一身にして大勢とたたかふ時の事也。我刀わきざしをぬきて、左右へひろく、太刀を横にすててかまゆる也。敵は四方よりかかるとも、一方へおいまはす心也。

火の巻

第三、火の巻。此まきに戦ひの事を書記す也。火は大小となり、けやけき心なるによって、合戦の事を書く也。合戦の道、一人と一人との戦ひも、万と万とのたたかいも同じ道なり。心を大きなる事になし、心をちいさくなして、よく吟味して見るべし。大きなる所は見えやすし、ちいさき所は見えがたし。其子細、大人数の事は即座にもとをりがたし。一人の事は心一つにてかわる事はやきによって、ちいさき所しる事得がたし。能く吟味有るべし。此火の巻の事、はやき間の事なるによって、日々に手馴れ、常のごとくおもひ、心のかはらぬ所、兵法の肝要也。然るによって、戦勝負の所を火の巻に書顕はす也。

  1. 一、場の次第と云事。場のくらいを見わくる所、場において日をおふと云事有。日をうしろになしてかまゆる也。若し所により日をうしろにする事ならざる時は、右のわきへ日をなすやうにすべし。
  2. 一、三つの先と云事。三つの先。一つは我方よりも敵へかかるせん、けんの先と云也。亦一つは敵より我方へかかる時の先、是はたいの先といふ也。又一つは我もかかり、敵もかかりあふ時の先、躰々の先といふ。是三つの先也。いづれの戦初めにも、此三つの先より外はなし。先の次第を以て、はや勝つ事を得る物なれば、先といふ事、兵法の第一也。
  3. 一、枕をおさゆるといふ事、枕をおさゆるとは、かしらをあげさせずといふ心也。・・枕をおさゆるといふは、我実の道を得て敵にかかりあふ時、敵何ごとにてもおもふ気ざしを、敵のせぬ内に見知りて、敵のうつといふうつのうの字のかしらをおさへて、跡をさせざる心、是枕をおさゆる心也。たとへば、敵のかかるというかの字をおさへ、とぶといふとの字のかしらをおさへ、きるといふきの字のかしらをおさゆる、みなもつておなじ心なり。
  4. 一、とをこすといふ事、渡を越すといふは、たとへば、海を渡るに瀬戸といふ所もあり、または、四十里五十里とも長き海を越す所を渡といふ也。人間の世を渡るにも、一代の内には、とをこすといふ所多かるべし。
  5. 一、けんをふむといふ事、剣をふむといふ心は、兵法に専ら用いる儀なり。・・物毎を敵のしかくると、其のまま其の理を受けて、敵のする事を踏みつけて勝つ心なり。亦一分の兵法も、敵の打出す太刀のあとへうてば、とたんとたんとなりて、はかゆかざる所也。敵の打出す太刀は、足にてふみ付くる心にして、打出す所をかち、二度めを敵の打得ざるやうにすべし。踏むといふは、足には限るべからず、身にてもふみ、心にても踏み、勿論太刀にてもふみ付けて、二のめを敵によくさせざるやうに心得べし。
  6. 一、四手をはなすといふ事、四手をはなすとは、敵も我も同じ心に、はりやう心になつては、戦のはかゆかざるもの也。はりやう心になるとおもはば、そのまま心をすてて、別の利にて勝つ事をしる也。大分の兵法にしても、四手の心にあれば、果敢ゆかず、人のそんずる事也。はやく心をすてて、敵のおもはざる利にて勝つ事専也。
  7. 一、つかをはなすといふ事、束をはなすとゆふに、色々心ある事也。無刀にて勝つ心あり、又太刀にてかたざる心あり。さまざま心のゆく所、書付くるにあらず。能々鍛錬すべし。
  8. 岩尾の身といふ事、兵法を得道して、忽ち岩尾のごとくになりて、万事あたらざる所、うごかざる所、口伝。

風の巻

第四、風の巻。此巻を風の巻としるす事、我一流の事にあらず、世の中の兵法、其流々の事を書きのする所也。風といふにおいては、むかしの風、今の風、その家々の風などとあれば、世間の兵法、其流々のしわざを、さだかに書顕す、是風也。他の事をよく知らずしては、自らのわきまへ成りがたし。道々事々を勤むるといふとも、心のそむけば、其身はよき道とおもふとも、直なる所より見れば、実の道にはあらず。実の道を極めざれば、少し心のゆがみに付けて、後には大きにゆがむもの也。吟味すべし。他の兵法、剣術ばかりと世に思ふ事、尤也。我兵法の利わざにおいても、格別の義也。世間の兵法をしらしめんために、風の巻として、他流の事を書顕す也。

  1. 一、他流に、大きなる太刀を持つ事、他に大きなる太刀をこのむ流あり。我兵法よりして是をよはき流と見たつる也。其故は、他の兵法、いかさまにも人に勝つといふ理をば知らずして、太刀の長きを徳として、敵相遠き所よりかちたきと思ふによつて、長き太刀このむ心あるべし。・・むかしより、「大は小をかなへる」といへば、むさと長きをきらふにはあらず、長きとかたよる心をきらふ儀也。大分の兵法にして、長太刀は大人数也、短きは小人数也。小人数と大人数にて合戦はなるまじきものか。小人数にて大人数にかちたる例多し。わが一流において、さやうにかたづきせばき心、きらふ事也。能々吟味有るべし。

空の巻

第五、空の巻。此巻空と書顕はす事、空と云出すよりしては、何をか奥といひ、何をか口といはん。道理を得て道理をはなれ、兵法の道に、おのれと自由ありて、おのれと奇特を得、時にあいてはひやうしを知り、おのづから打ち、おのづからあたる。是みな空の道也。おのれと実の道に入る事を、空の巻にして書きとどむるもの也。

  1. 武士は兵法の道をたしかに覚へ、其外武芸を能くつとめ、武士のおこなふ道、少しもくらからず、心のまよふ所なく、朝々時々におこたらず、心意二つの心をみがき、観見二つの眼をとぎ、少しもくもりなく、まよひの雲の晴れたる所こそ、実の空としるべき也。

兵法三十五箇条

一、此道二刀と名付事、 一、兵法の道見立処の事、 一、太刀取様の事、 一、身のかかりの事、
一、足ぶみの事、 一、目付の事、 一、間積りの事、 一、心持の事、
一、兵法上中下の位を知る事、 一、いとかねと云事、 一、太刀の道の事、 一、打と当ると云事、
一、三ツの先と云事、 一、渡を越すと云事、 一、太刀に替る身の事、 一、二ツの足と云事、
一、剣を踏むと云事、 一、陰を押ゆると云事、 一、影を動かすと云事、 一、弦をはづすと云事、
一、小櫛のおしへの事、 一、拍子の間を知ると云事、 一、枕の押へと云事、 一、景気を知ると云事、
一、敵に成ると云事、 一、残心・放心の事、 一、縁の当りと云事、 一、しつかうのつきと云事、
一、しうこうの身と云事、 一、たけくらべと云事、 一、扉のおしへと云事、 一、将卒のおしへの事、
一、うかうむかうと云事、 一、いはをの身と云事、 一、期をしる事、 一、万理一空の事、

独行道

  1. 一、世々の道をそむく事なし
  2. 一、身にたのしみをたくまず
  3. 一、萬に依怙の心なし
  4. 一、身をあさく思い世をふかく思う
  5. 一、一生の間欲心思わず
  6. 一、我事において後悔せず
  7. 一、善悪に他をねたむ心なし
  8. 一、いずれの道にも、別れを悲しまず
  9. 一、自他共に恨みかこつ心なし
  10. 一、恋慕の道思いよる心なし
  11. 一、物毎にすきこのむ事なし
  12. 一、私宅において望む心なし
  13. 一、身一つに美食を好まず
  14. 一、末々代物なる古き道具を所持せず
  15. 一、わが身にいたり物忌みする事なし
  16. 一、兵具は格別、余の道具たしなまず
  17. 一、道においては、死をいとわず思う
  18. 一、老身に財宝所領もちいる心なし
  19. 一、仏神は尊し、仏神をたのまず
  20. 一、身を捨てても名利は捨てず
  21. 一、常に兵法の道をはなれず

大友杏葉

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