作戦要務令 綱領
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兵書抜粋
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作 戦 要 務 令 さくせんようむれい
綱 領 指揮・連絡 戦闘指揮
 
   綱 領
 
軍の主とする所は戦闘なり。故に百事皆戦闘をもって基準とすべし。戦闘一般の目的は、敵を圧倒殲滅して、迅速に戦勝を獲得するに在り。
 
戦勝の要は、有形無形の各種戦闘要素を総合して、敵に優る威力を要点に集中発揮せしむるにあり。
 
訓練精倒にして、必勝の信念堅く、軍紀至厳にして攻撃精神充溢せる軍隊は、よく物質的威力を凌駕して戦争を全うし得るものとす。
 
必勝の信念は、主として軍の光輝ある歴史に根源し、周到なる訓練をもってこれを培養し、卓越せる指揮統 帥をもってこれを充実す。実質的裏付けのない信念は自負となり、身を亡ぼす。
 
軍紀は軍隊の命脈なり、戦場至る所、境遇を異にし、諸種の任務を有する全軍をして、上下脈絡一貫、よく一定の方針に従い、衆心一致の行動につかしめ得るもの、すなわち軍紀にして、その弛張は実に軍の運命を左右す。軍紀の要素は服従にあり。
 
およそ兵戦のことたる、独断を要するもの頗る多し。独断は、その精神においては決して服従と相反するものには非図ず。常に上官の意図を明察し、大局を判断して、状況の変化に応じ、自らその目的を達すべき最良の方法を選びて、機宣を制せざるべからず。
 
軍隊は常に攻撃精神充溢し、士気旺盛ならざるべからず。勝敗を決するものは必ずしも兵力の多寡によらず、精練にして、攻撃精神に富める軍隊は、よく寡をもって衆を破るを得べし。攻撃精神とは、自己の任務を積極的に解決しようとする心構えをいう。
 
共同一致は、戦闘の目的を達するため極めて重要なり。兵種を論ぜず、上下を問わず、心と力を併せて全軍一体の実をあげ、初めて戦闘の成果を期し得べし。全般の情勢を考察し、おのおのその職責を重んじ、一 意任務の遂行に努力すれば、おのずから共同一致の趣旨に合致し得。
 
戦闘は最近著しく複雑強靭の性質を帯び、かつ資材の充実、補給の円滑は必ずしもつねにこれを望むべからず。故に軍隊は堅忍不抜、よく困苦欠乏にたえ、難局を打開し、戦勝の一途にまい進するを要す。
 
敵の意表に出ずるは機を制し勝を得るの要道なり。故に旺盛なる企図心と追随を許さざる創意と神速なる機 動とをもって敵に臨み、常に主動の位置に立ち、全軍相戒めて厳に我が軍の企図を秘匿し、困難なる地形および天候をも克服し、疾風迅雷、敵をしてこれに対応するの策なからしむこと緊要なり。
 
指揮官は、軍隊指揮の中枢にして、団結の核心なり。故に常時強き責任感念と意志とをもって、その職責を遂行すると共に、高き徳性を備え、部下と苦楽をともにし、率先躬行、軍隊の儀表としてその尊信をうけ、剣 電弾雨の間に立ち、勇猛沈着、部下をして仰ぎて富岳の重きを感ぜしめざるべからず。なさざると、遅疑するとは、指揮官の最も戒むべき所とす。この両者の軍隊を危殆に陥らしむること、その方法を誤るよりも更に甚だしきものあればなり。
 
戦闘においては百事簡単にして精練なるもの、よく成功を期し得べし。運用の妙は人に存す。
 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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