三十六計・解説
「兵法・三十六計」は南朝宋の「名将・檀道済(?~436年)」が提唱した兵法で六略を一組とする六組(勝戦、敵戦、攻戦、混戦、併戦、敗戦)合計三十六卦の計略から成る。南朝斉の「元勲・王敬則(435?~498)」曰く「檀公の三十六策は走るを以て上計と為す」は既に日本のことわざとしても知れ渡っている。世界各地の「華僑の商戦の経典」として活用されたとも伝わる。武経七書にみられるような作戦を成り立たせるための指揮、統率等の部隊運用の記述は殆ど無く、「戦国策」や「鬼谷子」、「MOOSEMUSS」や「ランチェスター法則」と同様に作戦、謀略、外交、政略を貫く「戦いの理念」を簡略に示していると言える。故に普遍性に近いその個々の計略の解釈や応用および戦史戦例を伴って今日に伝わる様々な三十六計には多少の違いを感じざるを得ない。兵書は学究の書ではなく現実を生き抜く非情の実用書の証でもある。