兵法塾 - 大橋武夫先生 -
兵 法 塾
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『 大橋 武夫 』 先生


人は何によって動くのか
1906年~1987年、愛知県蒲郡市出身、戦前は第12軍参謀・東部軍参謀・53軍参謀として活躍、終戦後激しい労働争議で倒産した企業を再建、昭和の経済波乱を独特の「兵法経営論」で育て上げられた。 昭和55年より「兵法経営塾」を主宰・塾長、その著作・講演・指導は昭和の政界・財界をはじめ、第一線で活躍された多くの人に支持され、平成・21世紀の今日までその名著は版を重ねられています。 「人は何によって動くのか」(PHPビジネスライブラリー1987年)は先生の最後の御執筆で古典の奥義・究極の「真理」が顕されています。

兵書には兵法すなわち兵学と兵術が書かれてある。兵学とは戦いの理論と哲学で、兵術とは兵学を実行する術策であり、文字に表現しつくせないものが多分にある。
兵法の要は、集団を率いて戦勝を獲得することにあり、「戦わずして勝つ」ことをもって最上とする。戦って勝つための鍵は、我が優勢をもって敵の劣勢を討つにあるが、この優勢はたんに有形の要素だけでなく、無形の要素によってきまることが多い。たとえば不意を突かれた軍はつねに劣勢である。無形の要素は、生命の危険を前提とする戦いの場面において、想像を絶する大威力を発揮するもので、有形の要素の格段の差が有無を言わせぬ猛威をふるうのも、それが人間に絶望感を与えるためでもある。兵法は、本来、性悪説によっている。性善説で粉飾しているものもあるが、これは無理である。とくに統率のためには、将兵の忠誠心や勇敢さが貴重であり、それを養うことに努力しなければならないが、極限状態に陥った人間は、その良識が管制力を失って本能をむき出しにすることを認識し、手抜かりのないように考えておく必要があり、現に信賞必罰を説かない兵書はないのである。性善説を表看板とする日本軍の統帥綱領や作戦要務令も、武士道や軍人精神の修養練磨という事前の準備を強く要請するとともに、厳正なる軍紀(積極的責務遂行心)の必要を高唱し、峻烈なる軍律によって裏づけしている。
 兵法は時代とともに進化していくものであるが、そのなかに不動の部分がある。それは真理と人間の本質に根を下ろしたもので、百年千年の風雪に堪えて来ており、今後もますます輝き続けていくであろう。本書に抜粋集録したものはこれである。
 なお、兵書は、時世に恵まれた一人の天才が、多くの人の経験を集めて単純化し、ある主張のもとに編集したもので、たとえば孫子の兵法も、そのすべてを孫武が開発したものではなく、いわば彼は編者である。したがって協力者の参画があったろうし、テクニックに属するものには、伝承者の手による後世の修正加除もありうるわけである。
 兵法は、たんに戦いの場だけでなく、政治の運営、企業の経営はもちろん、我々が人生を生きがいのあるものにするためにも、そのまま役に立つ。政治も企業も戦いも、要は組織の効果的な運用であり、また、人生は苦難の連続で、我々はこれに打ち勝たねば生きていけないし、打ち勝つことによって、初めて真の喜びを感ずるものだからである。

-- 兵書抜粋 まえがきより --

「闘戦経」を世に出すようになった経緯
 「闘戦経」は幸いにして先覚の士により、明治にいたってその存在が確められ、海軍兵学校の手に移るにおよんで、昭和九年に木版刷にされたものが若干篤学の士に渡り、さらにその活字化されたものの一本が偶然私(大橋)の所へ来たのである。それは私が東部軍参謀時代の参謀長高島辰彦氏の好意で、戦後「兵法的思考による経営」を研究している私のことを聞かれ、昭和三十七年十月二日に氏秘蔵の一本を下さったのである。氏を中心とするグループはかねてからこの本を研究しておられたようで、篤学の士の訳までついていた。
 それから十八年後の昭和五十五年十月から、はからずも私はブレーン・ダイナミックス社の前田滋社長の後援により、帝国ホテルと丸の内ホテルで兵法経営塾を開講しているが、熱心な方々が全国から集まられ、ついに昭和五十七年には三年研修生が出ることになった。その結果、今までより高度の兵法研究を行なうことになり、その対象として、中国の「鬼谷子」と日本の「闘戦経」が浮かびあがってきた。いずれも古代の幻の兵書であり、難解である。しかし私は数年前からこの両書を研究していたので、この際これをまとめて本にして教材に使いたいと思い、「鬼谷子」は徳間書店の厚意にあまえて刊行することにし、「闘戦経」は、紙数が少なくて刊行対象にならないため、自費出版をすることに踏み切った次第である。なお大江匡房の文章は現代人にわかりやすいように書き直し、さらに解説と私の考えを付記しておいた。
 古人の序文に「将来、天機秀発して、後世、しかるべき人に知られるのを待つのみ」とあるが、この八百余年も前の人の悲願が今達成の機を得ることになるかと思えばまことに感慨無量であり、また筆をとる者としてまことに冥利につきる思いがする。
 なお、私は暗号解読も同様の苦心をして勉強したが、まだまだ不十分なところが多く、結局、私の仕事は「こんな本がある」ということを世の中に紹介するにとどまったようである。私もまた先人の例にならい、将来いつか達識の士が現れて、この本の主張するところをさらに効果的に活用する途を聞かれんことを期待する。
 なお、あとがきにある大江元綱の言のように、この本は「熟読永久にして、自然に関を脱するを得べし」であり、わからないところはじーっと睨み、繰り返し読みつづけていれば、日本人であるかぎり、いつとはなしにその意味が脳裡に浮かんでくるものであり、読者の不屈の挑戦を念願する次第である。

-- 「闘戦経」を考えるより --

この作品(兵書抜粋)は、1962年に出版されベストセラーとなった「兵法で経営する」を 1977年8月にビジネス社より復刊されるにあたり、付録として新たに書き下ろされたものです。 1980年に開講された「兵法経営塾」の基本教科書(私家版・兵書抜粋)として塾生に下賜されたものをこの度、御遺族(著作権継承者)のご了解を得て電子書籍として作成・編集させて頂きました。

2013年2月26日

http://www.heihou.com/ 「兵法塾」

この作品(闘戦経 大江匡房・著伝 大橋武夫・解説)は、1982年に私家版として出版され 1980年より開講された兵法経営塾の研究対象及び教科書として研修生に下賜されたものです。 1984年4月にマネジメント社から出版された「兵法経営塾」の付録としても掲載されました。この度、御遺族(著作権継承者)のご了解を得て電子書籍として作成・編集させて頂きました。

2013年2月26日

http://www.heihou.com/ 「兵法塾」

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《 御著書一覧 》
兵法 項羽と劉邦 (2004年/PHP文庫) 兵法 孫子 (2005年/PHP文庫) 兵法三国志 (2006年/PHP文庫) 戦いの原則 (2001年/PHP文庫)
No 発行日 著名 発行所 No 発行日 著名 発行所
1 S/34/4 ハイクラス・ドライブ 産業図書 36 S/54/12 セールスの兵法 こう書房
2 S/37/10 兵法で経営する 日本事務能率協会 37 S/55/1 意思決定の法則 日本実業出版社
3 S/38/12 決心 時事通信社 38 S/55/4 クラウゼウィッツ兵法 マネジメント社
4 S/39/11 スマートに運転する・上 建帛社 39 S/55/8 マキャベリ兵法 マネジメント社
5 S/39/11 謀略 時事通信社 40 S/55/9 大物の人間学 日新報道
6 S/40/4 ピンチをチャンスに変えた日露戦争 偕行社 41 S/55/10 兵法孫子 マネジメント社
7 S/41/9 統率 時事通信社 42 S/56/1 これが兵法だ こう書房
8 S/41/11 統御 田中書店 43 S/56/2 秘本兵法・三十六計 徳間書店
9 S/42/9 スマートに運転する・下 建帛社 44 S/56/11 立身出世のすすめ 高木書房
10 S/43/11 倒産のしかた 青春出版社 45 S/57/3 兵法・項羽と劉邦 マネジメント社
11 S/44/5 運転の兵法 田中書店 46 S/57/5 「戦争論」解説 日本工業新聞社
12 S/44/9 兵法経営 建帛社 47 S/57/9 統率力と指導力 プレジデント社
13 S/45/3 指揮の要訣 建帛社 48 S/57/9 「鬼谷子」謀略の原点 徳間書店
14 S/45/5 人生に勝つ兵法 新人物往来社 49 S/57/11 兵法経営要典 ブレーンダイナミック社
15 S/46/3 国家戦略 時事通信社 50 S/57/11 兵法・徳川家康 マネジメント社
16 S/47/2 統帥綱領 建帛社 51 S/57/11 「闘戦経」日本最古の兵書 私家版
17 S/47/5 幹部の兵法80 日本事務能率協会 52 S/58/5 図鑑・兵法百科 マネジメント社
18 S/48/6 経営幹部100の兵法 日本事務能率協会 53 S/58/12 兵法・ナポレオン マネジメント社
19 S/48/8 戦国武将の決断 新人物往来社 54 S/58/12 リーダーとスタッフ プレジデント社
20 S/49/9 マキャベリズム経営学 原書房 55 S/59/4 兵法経営塾 マネジメント社
21 S/49/11 統率学入門 ビジネス社 56 S/59/9 参謀総長・モルトケ マネジメント社
22 S/50/6 経営の統帥 日本事務能率協会 57 S/59/11 絵で読む「孫子」 プレジデント社
23 S/51/4 図解・兵法 ビジネス社 58 S/59/11 座右の銘 三笠書房
24 S/51/11 作戦要務令 建帛社 59 S/59/12 統率 時事通信社
25 S/52/1 名将の演出 マネジメント社 60 S/60/4 チャーチル アングロサクソンの世界戦略 マネジメント社
26 S/52/7 名将の演出(続) マネジメント社 61 S/60/6 よくわかる絵説「三国志」 マネジメント社
27 S/53/1 座右の銘 マネジメント社 62 S/60/12 成功の法則 マネジメント社
28 S/53/5 状況判断 マネジメント社 63 S/61/6 これが経営参謀だ! 日本実業出版社
29 S/53/11 参謀学 ビジネス社 64 S/61/7 ピンチはチャンス マネジメント社
30 S/53/11 戦略と謀略 マネジメント社 65 S/61/11 戦いの原則 プレジデント社
31 S/53/12 兵書研究 日本工業新聞社 66 S/62/1 悪の戦略 ジャパンポスト
32 S/54/3 統率力101の法則 日本実業出版社 67 S/62/1 決心十三則 マネジメント社
33 S/54/4 統帥綱領入門 マネジメント社 68 S/62/3 統率力の法則 日本実業出版社
34 S/54/10 兵法・三国志 マネジメント社 69 S/62/7 決心 時事通信社
35 S/54/11 参謀部 ビジネス社 70 S/62/8 人は何によって動くのか PHP研究所

その他、雑誌・機関紙・講演・研究会等を通して公私にわたり、沢山の貴重なご指導を賜りました。ご遺族、並びに関係者の皆様に心よりお礼 申し上げます。拙速ではございますが、このWebサイト『 兵法塾 』は、すべてそれらを参考にさせて頂いています。

 

兵法塾

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